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三代目の息子たち

三代目にカルティエの歴史上重要な人物が登場する。アルフレッドの息子たち、長男ルイ・ジョゼ (1875-1942)、次男ピエール(1878-1964)、ジャック(1884-1942)の3人である。


アルフレッドはそれぞれにパリ、ロンドン、ニューヨークという3大都市の店を任せている。このうち、ビジネスと芸術のセンスに秀でた長男のルイが、現在のカルティエの基盤を完成させた。


ルイは1898年に共同経営者となり経営も任せられ、翌年の1899年には現在のカルティエパリ本店のラ・ペ通り13番地に店を移転。そこは、ゲランやメレリオなど一流ブティックが並ぶファッション通りであった。1871年から1918年ごろまでの普仏戦争から第一次世界大戦の間、ルイの新しいジュエリーのクリエーションは世界の王室などを席巻し、1904年には、ルイの友人であった飛行士のアルベルト・サントス・デュモンから、飛行機の中で使える新しい腕時計の製作を依頼されたのをきっかけに(後サントスウォッチ)宝石製作だけでなく、腕時計の新時代を切り開いた。


同年、カルティエを「王の宝石商、宝石商の王」と評したことで有名なイギリス王室(エドワード7世)の御用達となったカルティエは、その後もイギリス王室の様々な儀式に際して製品を提供していくことになる。
その後1906年には樽の形からヒントを得た「トノー」、1912年には亀の甲羅がモチーフとなった「トーチュ」、1917年第一次世界大戦で活躍した戦車にヒントを受けてデザインされた「タンク」が後に続く。

また1912年にルイ・カルティエが考案した置時計ミステリークロックは、透明な文字盤と、針が空中に浮いているかのような不思議な時計で、「モデルA」や「スクリーン」など様々なデザインのものが製作されている。また、ベストセラーの一つであるピンク(愛)・ホワイト(友情)・イエロー(忠誠)の3色のゴールドで作られた3連のリング(トリニティ)を、敬愛する詩人ジャン・コクトーのため1924年に製作した。


このころからカルティエのジュエリーは、直線と円の調和、色石の色彩と質感を自由に生かした美しさが満ちている。これは、ルイのよきパートナーだった、デザイナーのシャルル・ジャコーの影響である。


エジプト、インド、中国、イスラムにヒントを得たルイは、ジャコーとともにエキゾチックなデザインのジュエリーを次々と発表し、1933年には王侯貴族向けに斬新なデザインのジュエリーを提案する高級宝飾部門の最高責任者にジャンヌ・トゥーサンを就任させ、有名なサファイアとパンテールのブローチは、ルイとジャックの死後、トゥーサンのアイデアにより生まれた。


かつてルイは「私たちは社会の要求に見合った、しかも実用的なものをカルティエ風に装飾して製作する」という言葉を残した。

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